CAMAC GRAND HARPS

カマック・グランドハープの特徴

カマックグランドハープの特徴

腕木の設計

腕木のカーブに大きな違いがあります。カマックハープの方がカーブが緩やかです。アンティークな楽器はもっと緩やかで、胸のあたりで弦を弾いていました。ケルティックハープは今でもそうですし、演奏の姿勢も自然です。このカーブの差で顔の位置が後ろになり、弦の位置がわずかに下になることによって最高音部まで視界に入り、ずっと演奏しやすくなります。

カマックハープ
カマックハープ
従来のハープ
従来のハープ

ペダルスプリング

これはカマックハープのペダルボックスで、ハープの底から見たところです。従来のハープと違ってペダルスプリングがありません。ペダルは従来、ペダルバーにつけられたスプリングによっていつも上に押し上げられていました。しかしこれでは金属疲労によってスプリングやペダルロッド(柱の中を通ってペダルとアクションをむすんでいるもの)が折れる事故が起きやすく、またスプリングの力がペダルロッドに対して垂直に働かず、スムーズな動きとはなりませんでした。カマックハープはこのペダルロッドを柱の上部につけられたスプリングで引き上げる構造にしました。これでペダルの動きがスムーズになるばかりでなく、従来のロッド(3mmの鋼鉄製)をなくしてケーブルにしました。このケーブルは航空機のコントロールケーブルに使われている300Kgの力にも耐えられる丈夫なものです。これで金属疲労はなくなり、折れる危険性はありません。

また布製のペダルフェルトもテフロンに変えました。これは医療用に使っている素材で、従来のものより数倍長持ちします。

ペダルボックス
ペダルボックス

ディスクの動き

写真中央の赤い弦がフラット、ナチュラル、シャープと動いています。従来のハープはペダルを踏むとディスクがみな時計廻りに回転をするのでご覧のようにシャープになると弦が右に寄ってしまいます。カマックハープはナチュラルとシャープのディスクを逆に回転させることによって、弦の間隔をいつも一定に保ち、より弾きやすくしました。

カマックハープ
カマックハープ
従来のハープ
従来のハープ

ディスクとナットの形状

ハープをメンテナンスする人にとって、高音部の調律はやっかいなものです。それはディスクの間隔が決まっているので、わずかな音程の上げ下げがやっかいだからです。カマックはナチュラルとシャープのディスクをオーバーラップさせて音程の微調整を容易にしました。また、ナットの形状も楕円にして音程の問題ばかりでなく、ペダルを踏んだときの音色の変化もなくなりました。これは楽器が経年変化しても音程を正確に保ちます。

カマックハープ
カマックハープ
従来のハープ
従来のハープ

音の特徴

カマックハープの音の特徴
カマックハープの音の特徴

響板は従来フラットに削っていましたが、カマックハープは中心部を厚く、外縁は薄く作っています。これはバイオリンなどの弦楽器では当然のことです。技術的な問題でハープではむずかしかったのですが、カマックが始めて実現しました。

響板の裏で弦を止めますが、従来弦の切れ端などを用いてきました。しかしこの部分はバイオリンの駒に相当する音に重要な部分であると考え、木製緒止めを使っています。これによって音がクリアーになります。

グランドハープは一つのペダルの動きを7オクターブにわたってリンクでつなぎ、その可動部分は一つのペダルに対して33前後の部品でできています。そこにわずかな誤差があっても最終的にはかなりのがたつきになってしまいます。そのがたつきは振動を吸収して音のにぶさにもつながります。カマックハープはあらゆる誤差をなくすため、例えば従来は丸棒のディスクシャフトにリベットで止めていたものを、六角のシャフトにしてわずかながたつきもなくしました。ディスクとシャフトのつなぎも従来のネジ止めではなく、圧着によってまったく音の振動エネルギーを吸収しない構造になっています。

その他あらゆる部品の見直しによってカマックハープの音色はきわめてクリアーです。これはホールが広いほどに威力を発揮し、より遠くまで音が鮮明に届きます。特に他の楽器とのアンサンブルにおいて、ハープの音色がかき消されることなく、細かなニュアンスまで客席に伝わります。ヨーロッパの管弦楽や吹奏楽に多く採用されている理由はこの点です。

カマックは調整が容易

写真はペダルボックスからペダルロッドの調整をしているところで、左上は拡大写真です。カマックハープには専用のロッドセンサーと工具が付属しています。ハープの調整は従来底板をはずし、ペダルロッドカプラーをはずし、と経験のいる技術が必要のために演奏者が踏み入ることのできない領域でした。カマックのロッド調整は何もはずさないでセンサーの発する音でできますので、演奏者でも容易に調整が可能です。必要な工具と、そのマニュアルが付属しています。

ペダルロッドの調整
ペダルロッドの調整